自分に不満や苦しみがある時、思い出す映画があります。昔の映画で「一期一会」という
映画です。
社会生活は普通に送れますが、知能と足に障害がある男の子の成長の物語です。足は
後に誰よりも健脚になります。
主人公はみんなからいじめられます。友達は幼なじみの女の子だけです。成長した幼な
じみは辛くあたる父親を避けて、家を出て行き、傷ついて帰って来てはまた出て行きます。
主人公は出て行く幼なじみを黙って見送り、帰って来た彼女をあたたかく迎えます。
戦場では、健脚を活かし負傷した兵士を担いで運び大勢の命を救います。命は助かった
ものの両足切断という身体になった上官は、運んだことを責めます。上官の激情を黙って
聞き、後々も寄り添います。
物語はいろいろに展開して行きますが、一貫して主人公の支配するということを含まない、
支配性が無い行為を見ることができます。
映画だからと言ってしまえばそれまでですが、自分を見るにはいい映画です。
自分の持つ不満や苦しみは十分意識できますが、その不満や苦しみは、自分が何かあ
る対象を支配出来なかったことによって生じていることはあまり意識しません。主人公の
支配しない受け入れている在り方は、自分の支配性に気づかせてくれます。
純粋で美しい映画です。どうぞ見てみてください。