変化

お盆に実家に行って来ました。
子供の頃の実家は、家の周りは見渡す限り田んぼという田舎でした。
今は、家の前の田んぼは公社が入り分譲され新しい家が建ち並び、景色は全く変わっ
てしまった。何処か知らない土地に来ているように錯覚してしまう。家の後ろにはまだ
田んぼは残っているが、区画整理が行われ升目のように四角い田んぼが広がって、
遠くには、新しくできた市場団地や工業団地の建物が見える。
子供の頃遊んだ土手や川や農道は無くなり、それらが在った場所の位置確認もできない。
よく遊んだ土手にはミントが群生していて、風が吹くといい香りがした。その頃はミントと
は言わずハッカと呼んでいた。今ではもう見掛けることがなくなった在来種のミントの香り
は子供にとってはきつく刺激的だったけれど、今もその香りは覚えている。もうあの香り
を含んだ風には出あえない。
用水路にはドジョウやゲンゴロウがいたし、蛍も育った。今はコンクリートのU字溝に
変わってしまった。
蛍が飛び出すと夏が始まった。父や母が麦わらで蛍を入れるかごを編んでくれた。
蛍草という蛍が好きな草を濡らしてかごに入れ捕った蛍を入れた。
歌には、「蛍の光 窓の雪」とあるが、捕った蛍の光で勉強するのはちょっと無理。
だけど電気の消えた部屋は、ステキに明るかった。
もう、父も母も亡く、蛍も飛ばない。
すべてが変わって行く。
精神世界の道を歩んで、根本エネルギーの変化性について学んだ。
変化性というところから見れば、変わってしまった景色も状況も思い出も、また違って映る。