更年期障害で三年ほど苦しんだ知人がいます。
日常の生活に支障が出ることはなかったのですが、次から次へと身体に不調が起き、
病院通いが続きました。
そんな更年期の体調不良の時期、知人の心を苦しめたものがありました。同居している
お姑さんの「元気」です。自分は病気続き、お姑さんは84歳、ふた回り以上も年上なのに
病気知らずの健康体、そのことがその時の知人にとっては、不条理であり心地よいものでは
なかったようです。
ランチ友達がいるようで、「お姑さんが元気だからこそ、こうやってランチもできるわけだから」
と言われたとのこと。その言葉も知人には届かなかったようで、体調不良、そういう時期の
知人にとっては心無い言葉に聞こえたようです。
知人は感情を共にして欲しかったのかもしれません。
辛く長かった更年期の症状がようやく終わり、以前と同じように健康体になった知人が
言いました。この頃お姑さんが急に衰えたと。そして、元気でいてもらわないと私が困ると。
人の心の変化は刻々と複雑に変わります。自分もしている知人と同じ反応に気づくこと。
そして、自分も自分以外のものも、あるがままに見る、そういう目を持ちたい。